「地域づくり戦略」のフィールドワーク活動レポートをご紹介します!
2025.12.05
今年度の「地域づくり戦略」のフィールドワークでは、昨年度に続き北九州市を拠点に活躍する2名のキーパーソンにお話を伺いました。1件目の訪問先として予定していたコワーキングスペース「黒崎Yakata」は収容人員の都合上、受講生全員での訪問が困難であったため、代表の寺下良真さんのご厚意により、2件目に訪問予定であった「ココクル平野」(NPO法人わくわーく運営)へお越しいただき、同じ会場で両者の講話を実施する形式となりました。
まず寺下さんからは、自己紹介に続き、次のような問題提起がありました。「北九州市は第二次産業が隆盛だった時期には全国平均を上回る所得水準だったが、現在は平均以下となっている。その状況を変えるには、市民一人ひとりの能動的なチャレンジの積み重ねが、社会経済的なインパクトにつながるはずだ」。こうした問題意識のもと、寺下さんはコワーキングスペース運営、人材育成、アイドルプロデュース、道の駅の企画・プロモーションなど、多様な活動を展開しており、学生も深く頷きながら耳を傾けていました。
続いて、NPO法人わくわーくの講話へ。代表の小橋祐子さんから直接お話しいただく予定でしたが、外部案件と重なったため、福祉分野で利活用が広がる分身型コミュニケーションロボット「ORIHIME」を通じてオンラインでご参加いただきました。法人の概要や現況については、K2BS2年生で、昨年度の「地域づくり戦略」受講を契機に同団体で経営改善プロボノとして活動している小田修司さんが説明を担いました。途中、「竹チェロ」の開発・指導を担当するボランティアの田中昇三さんも話題提供してくださいました。
小田さんは説明の要所で、K2BS入学後の受講科目「MBAオリエンテーション」で講読する書籍「ビジョナリー・カンパニー」の論点―“まずバスに誰を乗せるか”―になぞらえて補足も行い、学生からは「なるほど」という反応も聞かれました。おわりに寺下さん、小橋さんから学生への温かなメッセージをいただき、講話を締めくくりました。
後続の授業回で実施したグループ・ディスカッションでは、「一つの場で複数の実践者の視点を同時に聞けて刺激的だった」「情熱とリーダーシップが印象的だった」といった感想が多く聞かれ、学生プロボノによる実践知の共有も有意義だったようです。
このように「地域づくり戦略」では、現場に赴き、実践者から直接学ぶことで、地域づくりの複雑さと可能性を多面的に理解することを重視しています。実務のポイントを学ぶだけでなく、地域課題を“自分事”として捉え直す契機として、学生の問題関心をさらに喚起する機会につながればと考えています。北九州市には多様なキーパーソンが活躍しており、今後もこうした実践的な学びの場を継続して提供していく予定です。
(文責:担当教員 古賀)


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